女性から初デートに誘う方法と断られにくい自然な口実の作り方

送信ボタンの上で親指が止まる時間、何分まで記録更新した?
先週、アシスタントのユキが打ち込んだ文面を三十回は書き直していた。画面をこっちに向けてきて、これ重くない?と半泣きの顔。文面はごく普通の一行だった。ラーメン屋のURLと、行きたいんだけど、と。
重いわけないじゃん、と返したら、スマホを胸に抱えて椅子ごとくるっと回転した。息を止めて送信したらしい。返事は四分後に来た。
女性から誘うのって、いまだにこんなに心拍数が上がる行為なんだよなぁ。

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女性から誘われて嫌がる男性、ほぼいない

最初に事実を置いておく。編集部が関わってきた男性たちに片っ端から聞いた結果、女性からの誘いを不快に感じたと答えた人はゼロだった。逆に、あれは嬉しかった、と具体的な場面まで覚えている人が大量にいた。

男性側は誘う怖さを毎回味わっている

向こうも同じなんだよ、これが。断られる恐怖、勘違い野郎だと思われる恐怖。誘う側に回ったことがある人なら、誘われた側の安心感がどれだけありがたいかを知ってる。
だから女性から一歩踏み込むと、その瞬間に相手の警戒が解ける。俺のこと嫌いじゃないんだ、という確定情報が手に入るから。

ガツガツしてると思われる、は幻想

これ本当に多いんだけど、誘った時点で軽い女だと判定されるという恐怖は、ほぼ根拠がない。判定を分けるのは誘ったかどうかじゃなくて、誘い方の温度なの。
夜、二人きり、高そうな店、日程は相手任せ。この組み合わせは確かに重い。昼、一時間、目的がある場所。同じ人が誘っても、受け取られ方が別物になる。行為じゃなく設定の問題。

成功した人の誘い方には、必ず口実があった

ここが分岐点。うまくいった話を並べると、全員が会話の中から拾った具体的な理由をくっつけていた。

好きなものの話から、そのまま流し込む

アオイ、二十六歳。職場の同僚に気があった。会話は毎回盛り上がるのに、相手から誘ってくる気配はゼロ。
きっかけは休憩室での映画の話。公開されたばかりの作品で二人が同時に前のめりになった瞬間、彼女はさらっと言った。今度あれ、一緒に観に行かない?
相手は一瞬固まって、それからいいよ、と返した。初デートは昼の映画館。館内が暗くなるまで手汗がすごかったらしい。
重くならずに誘えたのがよかった、と彼女は言っている。映画って優秀なの。二時間しゃべらなくていいし、終わったあとに感想という会話のネタが自動で発生する。初回の相性がまだ読めない相手には、これ以上ない舞台じゃん。

店の名前を出すと、返事のハードルが下がる

リコ、二十九歳。アプリで知り合った男性と、メッセージが十往復を超えたあたりで動いた。最近気になってるカフェがあるんだけど一緒に行ってみない?と、店名つきで送った。
返事はぜひ、の二文字が即座に。
初デートは昼のカフェで一時間。別れ際に、女性から誘ってもらえるのって嬉しいんだよね、と言われたそうだ。
今度ごはんでも、みたいなふわっとした誘いは、相手に企画の全責任を渡すことになる。店を決める、日を決める、雰囲気を読む。全部やらせるのは実は不親切。場所を一つ提示するだけで、相手はイエスかノーを言うだけで済む。返事の速度が変わるよ。

頼る形にすると、相手の断る理由が消える

マユ、三十二歳。サークルで知り合った男性がパソコンに詳しいと知っていた。使ったのはこの一手。ノートPCを買いたいから一緒に見に行ってくれない?
デートという単語をどこにも使っていないのがポイント。相手は快く引き受けて、家電量販店を三軒はしごして、その流れで自然にお茶へ。気づけば普通にデートの空気になっていた。
男性は頼られると断りにくい。というより、断りたくなくなる。専門分野を認められた感覚が先に来て、警戒が後回しになるの。ちょっとずるいけど、私はこの手を推す。

断られた誘い方には、共通の傷がある

うまくいかなかった話も同じくらい集まった。分析すると原因は驚くほど似ていた。

デートという単語を、いきなり置いた

サヤ、二十四歳。友人の紹介で会った男性に、二回目のやり取りで直球を投げた。今度デートしない?
相手の表情が曇って、ちょっと考えさせて、と返ってきた。そのあと連絡は途絶えた。
もう少し会話を重ねてから軽く誘えばよかった、と彼女は反省している。
デートしよう、は相手に恋愛の返事を要求する言葉。まだ人柄も知らない段階でそれを突きつけられると、判断できないから保留になる。保留はだいたい消滅に変わるんだよね。
同じ人を同じ日に誘うにしても、ラーメン食べに行かない?なら答えは食欲の話で済む。関係の話にしないのがコツ。

夜のスタートは、初回だと重量が増す

共通の友人の集まりで気になる男性に直接声をかけた人もいた。今度二人でご飯行こうよ、と笑顔で言って、相手も笑顔でいいよ、と即決。日程もその場で決まった。
実現したのは夜の居酒屋。ただ本人が後から、昼のカフェにしておけばもっと落ち着けたかも、と漏らしていた。
夜は空気が濃くなる。お酒が入って、帰りの時間も曖昧になって、そのあとの流れを警戒しなきゃいけない。初回にその負荷を背負う必要ある?私は昼を推す派。

断られても、そこで終わりじゃない

ここ、いちばん伝えたい部分かもしれない。

忙しいと言われた三週間後に、向こうから来た

ナホ、二十七歳。今度の休みに美味しいラーメン屋を見つけたから行かない?とLINEを送った。いいね、と好感触の返事。ところが日程を詰める段階で、忙しくて難しい、と断られた。
その夜は布団に潜って動けなかったらしい。スマホを枕元に伏せて、天井を睨んで、もう二度と誘わないと決意したとか。
三週間後、相手から通知が来た。あの店、まだ行きたい?
結局デートは実現した。断られた誘いは、失敗じゃなくて種まきだった。あなたに好意があります、という情報だけは確実に相手に届いてる。相手の状況が変わった瞬間、その情報が発芽する。

誘わなかった後悔のほうが、長く残る

話を聞いた全員が同じことを言っていた。断られた記憶は数ヶ月で薄れる。誘わないまま終わった記憶は、何年も残る。
あの時声をかけていたらどうなってたかな、を三十代になっても引きずってる人、私は何人も見てきた。返事が来ない数十分の胃の痛みと、数年分のもしも。どっち取る?

送る前に、これだけ確認しておく

勢いだけで送ると事故る。三十秒で済むチェックを置いておく。

会話の中に、口実の材料が落ちているか

相手が話していた好きなもの、行きたいと言っていた場所、得意分野。この三つのどれかを使えるなら、誘い文句は勝手に完成する。材料がまだない場合は、先に会話を数往復重ねたほうが早い。
急いで誘って保留にされるより、二週間かけて口実を拾うほうが結果的に近道になる。

短く、明るく、逃げ道を用意する

文面は三行以内。長文は熱量が漏れて重くなる。
それと、もし忙しかったら全然また今度で、の一言を最後に添える。相手が断りやすい状態を作っておくと、なぜか承諾率が上がる。追い込まれてない人のほうが素直にイエスと言えるから。
ユキの送った一行にも、その保険がちゃんと入っていた。返ってきたのは、行く、いつ?の五文字。彼女は椅子の上で足をバタバタさせて、私に画面を突きつけてきた。
あの日から二人は三回会っている。送信ボタンを押した四分間が、全部を動かした。

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この記事を書いた人

体験ベースの恋活ナビ編集部です。
令和のリアルな出会い事情、デートまでの心理戦、別れ方まで、すべて体験ベースで本気で恋活・婚活したい人に届ける本音ラボ。

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