喧嘩してお互い連絡しない心理と期間、沈黙を破る最初の一通

にらめっこは、先に笑ったほうが負け。
喧嘩のあとの沈黙にまで、このルールを持ち込んでしまう人がいます。
美容師の陸さんも、そのひとりでした。
ちょっとした口げんかのあと、彼も彼女も、ぴたりと連絡を止めた。
(向こうから謝ってくるまで、絶対に送らない)
31歳の大人が、本気でそう決めていたわけです。
三日目、このままじゃまずいと送ったのは、落ち着いた?の一言。
送信ボタンを押したときの指先は、少し汗ばんでいたと陸さんは笑います。
既読は、すぐについた。
「あの三日間、俺たち、ただのにらめっこしてたんですよ」
撮影明けに流れたバーのカウンターで、彼はグラスの氷を揺らしながらそう言いました。

喧嘩してお互い連絡しないまま日が過ぎると、自然消滅という言葉が頭をよぎる。
同じ沈黙をくぐった10人に、話を聞かせてもらいました。
沈黙の向こう側で、相手もほぼ同じ顔をしてスマホを見つめていたんだよね。

目次

喧嘩してお互い連絡しないとき、ふたりの頭の中で起きていること

先に連絡したら負け、という意地

陸さんと、動画編集をしている莉子さんの彼氏は、同じ呪文で自分を縛っていました。
先に連絡したら負け。
新人カメラマンの悠真さんは24歳。
自分は悪くないと信じて、彼女からの謝罪を待ち続けた人です。

その間、悠真さんの彼女は、嫌われたのかと不安を抱えていた。
26歳の莉子さんの彼氏も、負けだと踏ん張りながら同じ影を抱えていた。
待っている間、嫌われたのかと思っていたと、あとで打ち明けています。
負けたくない気持ちと、嫌われたかもしれない怖さは、同じ人の中に平気で同居する。
意地を張るうちに、相手を不安にさせていた。
悠真さんも莉子さんも、あとでそう気づきました。

陸さんのカップルも、振り返ればお互い意地を張っていただけ。
意地は、ドアの内側からかけた鍵みたいなもの。
開けられるのは、かけた本人だけなんです。
はぁ…このすれ違い、聞くたびに胸の奥がきしむ。

謝り方がわからない、また怒らせるのが怖い

27歳でキャスティングを担当する彩さん、23歳で新人ヘアメイクの芽依さん。
それに、29歳でダンス系インフルエンサーの奈々さん。
三人の彼氏が抱えていたのは、意地とは別のものでした。
どう謝ればいいか、どう連絡すればいいかがわからない。
自分から動いたら、また怒らせるかもしれない。

謝りたい気持ちはあるのに、入口が見つからない迷子の状態。
送信ボタンの上で、親指だけが宙に浮いている。
喧嘩の最後に見た彼女の顔が焼きついているほど、その親指は重くなる。
彼女から話せる?と届いた途端、三人ともすぐにごめんと返しています。
言葉そのものは、とっくに胸の中にあったわけ。

意地で黙る人と、怖くて黙る人。
外から見れば同じ沈黙でも、中身はまるで違うんです。
しかも彼女の側からは、黙る彼が怒っているのか怖がっているのか、見分けがつかない。

冷却期間のつもりが、向き合うのを先送りしていた

38歳の舞台監督、健さん。42歳で写真館を営む誠一さん。
ふたりとも、感情を整理する時間が必要だと考えた。
健さんは仕事に、誠一さんは趣味に没頭しています。
相手の彼女も、今は話すと余計にこじれそうだと距離を置いていた。
あとで振り返れば、お互いが冷却期間を取っていただけ。

35歳のウェブ編集者、大輔さん。33歳のスタイリスト、航さん。
こちらのふたりは、関係を考え直す時間が欲しいと距離を置いた。
ところが振り返って口にしたのは、苦い本音でした。
冷却期間を取っているつもりだったけど、ただ向き合いたくなかっただけかもしれない。
陸さんも、気まずさを避けていただけかもしれない、と同じ場所に着地しています。

冷却期間と先送りを分けるのは、沈黙の先に、話す予定が入っているかどうか。
落ち着いたら話す、という行き先があれば、それは休憩です。
行き先が書かれていない沈黙は、ただの逃げ道になる。
黙っている間に、次に何を話すかを考えていたなら冷却期間。
相手の顔が浮かぶたびに考えるのをやめていたなら、それは先送りのサインよ。

相手から来るのを待っているうちに、時間だけが過ぎる

彩さんは友達と過ごし、芽依さんは仕事に打ち込み、奈々さんは一人の時間にこもった。
リフレッシュしたい、今は話す気になれない、と三人とも自分の殻に入っていた。
そして三人が三人とも、あとで同じ言葉を口にしています。
お互い待っているうちに、時間が過ぎてしまった。

エレベーターの前で、どうぞどうぞと譲り合ううちに、扉が閉まってしまう。
お互い連絡しない沈黙は、あの気まずい数秒を何日にも引き延ばしたようなもの。
どちらも乗りたいのに、一歩目を相手に預けている。
譲り合いを終わらせるのは、いつだってどちらか一人の小さな勇気なのよね。

お互い連絡しない期間は、5日目と1週間が分かれ目

10組の沈黙を日数で並べると、見事に二つの組に色分けできました。

5日目までは、数文字の一言で沈黙がほどけた

3日目に動いたのは、陸さんと芽依さん。
4日目は彩さんと莉子さんで、5日目は悠真さんの彼女と奈々さん。
送られたのは、落ち着いた?、話せる?、どうしてる?のどれかでした。
返事は、この6組すべてで、すぐに来ている。
陸さんの彼女は、ごめん、ちょっと考えてた。
彼女のほうも、同じ三日間で言葉を探していたんです。
彩さん、芽依さん、奈々さんの彼氏は、即座にごめん。
(相手もずっと、スマホを握って待ってたってことじゃん!)
5日目までは、喧嘩の記憶がまだ生々しい。
そのぶん、ごめんの一言で埋められる距離にとどまっているんです。

1週間を超えると、気まずさに利子がつく

健さんと誠一さんが動いたのは、一週間ほどたってから。
彼女たちの返事は、待っていてくれてありがとう、でした。
航さんの沈黙も一週間ほど、大輔さんにいたっては十日ほど続いた。
十日って、聞いているだけで胃が縮む(泣)
大輔さんと航さんのもとに突然届いた最初の一通は、このまま終わるの?
5日目までの、話せる?とは、重さがまるで違います。

健さんと誠一さんのように、一週間たっても穏やかに戻れたふたりもいる。
それでも沈黙が延びるにつれ、最初の一通の中身は関係の行方へと移っていく。
大輔さんと航さんは、ふたりとも同じ言葉で振り返りました。
お互いが待っているうちに、気まずさが増した。
気まずさは、借金の利子みたいに、日を追うごとにじわじわふくらんでいくんです。

後悔していたのは、先に送った人じゃなかった

健さんと誠一さんは、仲直りのあと、すぐに連絡を取ればよかったと少し悔やんだ。
悠真さんと莉子さんが悔やんだのは、意地のせいで相手に不安な時間を過ごさせたこと。
振り返りの言葉は、どれも、もっと早く動けばよかった、の方向を向いていました。
先に送ったことを悔やんだ人は、ひとりもいない。
まさか後悔の向きまでそろうとは、メモを見返して苦笑いが出ました。

沈黙のにらめっこは、冒頭のルールがひっくり返るゲームなんですよ。
先に動いた人が、ふたり分の時間を取り戻すんだから。

自然消滅が頭をよぎったら、思い出してほしいこと

10組の中に、連絡が途絶えたまま終わったカップルはいませんでした。
いちばん危うかったのは、十日目の大輔さんと、一週間の航さん。
彼女から、このまま終わるの?と届いたあの瞬間です。
嫌いになったわけじゃない、と返したことで、沈黙はそこで途切れています。
裏を返せば、どちらかが問いかけるまで、ふたりとも動かなかったということ。
自然消滅は、別れを決めた結果じゃない。
お互いが待ち続けた結果として、静かにやってくるもの。
相手に、終わるの?と聞かせる前に、こちらから一通送る。
それだけで、沈黙の行き先はまるで違うものになる。

沈黙を破る最初の一通、10組が実際に送った言葉

10組が実際に送った一通を、そのまま並べてみます。

落ち着いた?話せる?どうしてる?に共通していること

10組の最初の一通には、どれも言い訳がありません。
どっちが悪かったかにも触れていない。
相手が、うん、のひと言で返せる問いかけになっているんです。
謝り方に迷っていた彼氏たちも、この問いには即座に答えられた。
返事のハードルを、送る側が下げてあげる。
沈黙を破る一通の条件をひとつだけ選べと言われたら、私は迷わずこれを挙げます。

ここで、私の恥ずかしい話をひとつ。
昔の彼と三日ほど黙り合ったあと、同じ夜にほぼ同時に送ってしまったことがあるの。
ピコン、と鳴った画面に、ごめんの吹き出しが二つ並んでいた(笑)
あの照れくささで、お互いずっと待っていたんだと一瞬でわかりました。
彩さんや芽依さんのように、女性の側から送った一通にも、彼氏たちはすぐ応えている。
送るのは、どちらからでもいいんです。

送らないほうがいい一通もある

反対に、10組の誰も送っていない種類の一通があります。
喧嘩の原因を一から説明し直す長文。
どっちが悪かったのか、白黒つけようとする問いかけ。
既読がつくかどうかを試すような、意味深な一言。
どれも沈黙をほどくどころか、喧嘩の第二ラウンドのゴングを鳴らしてしまう。
込み入った話し合いは、顔を合わせてからでも十分間に合います。

1週間を過ぎたら、一通に気持ちを添える

このまま終わるの?と聞かれた大輔さんと航さん。
ふたりの返事は、嫌いになったわけじゃない、でした。
沈黙が一週間を越えると、相手の不安は、関係が終わるかどうかに移っている。
だから先に送るなら、話せる?に、気持ちは離れていないというひと言を添えてほしい。
話せる?嫌いになったわけじゃないよ、くらいで十分。
相手がいちばん聞きたい答えを、聞かれる前に渡しておくわけ。

自分から送れないときは、共通の友達を背中押し役に

健さんが動けたのは、共通の友達のひと言がきっかけでした。
お互い心配しているよ。
その一言で、健さんは落ち着いたら話そうと送り、彼女からは感謝の言葉が返ってきた。
友達に頼むなら、相手の様子を探る伝言役じゃない。
自分の背中を押してもらう役くらいが、ちょうどいい。
意外と、その一押しだけで指は動くものです。

仲直りしたら決めておきたい、次の喧嘩のための約束

勝ち負けという言葉を、ふたりの間から外す

陸さんたちを黙らせていたのは、勝ち負けという物差しでした。
仲直りしたら、喧嘩に勝ち負けはない、とふたりで口に出して確認しておく。
照れくさくても、一度言葉にしておけば、次に意地が顔を出したときのブレーキになる。
負けを恐れて黙り込むより、先に折れて笑われるほうが、ずっと安くつくんだから。

冷却期間には、終わりの日付を書き込む

頭を冷やす時間は、取っていい。
ただし、何日までと決めておくこと。
期限のある沈黙は休憩で、期限を決めない沈黙は先送り。
クールダウンするなら、三日だけ時間ちょうだい、と終わりの日まで添えて伝える。
今回の10組なら、5日目までに動いた組ほど、軽い一言で話を再開できていました。
期限を決めるなら、長くても5日。
私なら、迷わずそう提案します。

謝り方に迷ったときの合図を決めておく

ごめんの切り出し方に迷う人のために、ふたりだけの合図を用意しておくのもおすすめ。
このスタンプが来たら仲直りしたいの意味、と決めておくだけでいい。
文面に悩む時間そのものが、いらなくなるから。
言葉はあるのに入口がなかった彩さんたちの彼氏のような人ほど、この合図に救われるはずですよ。

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この記事を書いた人

体験ベースの恋活ナビ編集部です。
令和のリアルな出会い事情、デートまでの心理戦、別れ方まで、すべて体験ベースで本気で恋活・婚活したい人に届ける本音ラボ。

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