宮崎県で自然な出会いはある?神話の地と南国の海で始まる縁

朝七時の高千穂峡。貸しボートに乗った日、真名井の滝の水しぶきがばしゃっと顔にかかった。隣の船の人も同じ瞬間に顔を上げていて、二人とも髪が濡れている。
櫂が水を切る音だけが響いていた。ぱしゃ、ぱしゃ、と。
宮崎は出会いがない。県内で何度も聞いた台詞。若い人は福岡へ出るし、遊ぶ場所も限られる。

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神話の土地は、声が小さくなる

ここに佇むだけでいい

啓太さん、三十三歳。くしふる神社の森に入って、本殿の裏が御神体だと知って立ち止まった。天孫降臨の空気は派手な装飾がなく、同じ方向を向いていた人と、ここに佇むだけでいいね、と同じ顔をしたそう。
天真名井の湧水まで歩いて、ケヤキの根元がトトロのお腹みたいに柔らかいと教え合ったらしい。
峰の景色より、地面のふかふかを残している。足の裏で覚えているものって、写真より強い。

砂利を踏む音が揃った

和真さん、三十歳。天岩戸神社の岩戸の前で、案内板を隣の人と同時に読んだ。神話の距離が近くて、奥の森まで同じ歩幅になったそう。
高千穂は一日じゃ足りない。宿を伸ばす話で地図が重なったらしい。
岩戸より、砂利を踏む音が揃ったことを残している。じゃり、じゃり、と同じリズムで歩く。歩幅が合う相手って、思っている以上に貴重だと私は確信している。

杉は許してくれる

美羽さん、二十五歳。高千穂神社の夫婦杉を、一人で三周して笑った。隣で全く同じことをしていた人と、手をつなぐ相手がいなくても杉は許してくれるよね、と肩をすくめ合ったそう。
夜神楽の時間まで残って、面の向きが変わるたびに隣の息が止まった。
杉より、神楽の太鼓の間を覚えている、と。どん、と鳴って、次が来るまでの沈黙。あの間で同時に息を呑んだ相手は、もう他人じゃないよね。

朝と干潮、時間を選ぶと景色が変わる

朝六時の参道

詩織さん、二十八歳。青島神社を朝六時に参って、人がほとんどいない参道の朱色と海の青を見て足を止めた。島全体が神域で、夫婦ビロウに紙縒りを結ぶ列も朝なら短いそう。
干潮の洗濯板まで下りて、同じ向きに歩く人と波の間隔を数えたらしい。
本殿より、朝陽が島に当たる一瞬を覚えている。早起きする人だけが見る景色には、早起きした人しかいない。母数は減るのに、濃度は上がる。

困難があっても模様になる岩

涼介さん、三十六歳。鬼の洗濯板を歩いていて、困難があっても模様になる岩ですね、と同じ感想を口にした人と肩が並んだ。
周囲一・五キロの島は一周が短く、カフェまで海風が会話を運ぶ。青島は電車だけでは回りにくくて、車を分ける話になったそう。
岩の溝より、塩の匂いがついた靴を残している。狭い島は一周する間に何度も同じ人とすれ違う。偶然が反復に化けるのよ。

髪が乾く前の会話

凪咲さん、二十六歳。青島の海でひと泳ぎして、上がり湯の温泉で隣の人と塩を流した。タコスの店まで歩いて、午後は鵜戸へバスで揺られたそう。
南国の一日は、神社と海と洞窟が一本につながる。
波より、髪が乾く前の会話を覚えている。濡れた髪のまま、化粧も落ちた状態で交わす言葉。取り繕えない場所って、本当に強い。

投げる、外す、その繰り返し

外した人の、もう一回

七海さん、二十三歳。鵜戸神宮の洞窟の本殿で、運玉を五つ買った。亀石の窪みに四回入って、周りの人から拍手が起きたそう。
隣で外し続けていた人に玉を分けて、バスでサンメッセまで下りたらしい。
入った数より、外した人の、もう一回、を覚えている。うまくいっている人より、失敗している人の方が声をかけやすい。これ、恋活でも同じだと私は思っている。隙のない人には誰も近づけない。

三脚が重なって

翼人さん、三十九歳。サンメッセ日南のモアイの列で、海を背景に撮ろうとした人と三脚が重なった。像の説明は短くて、堀切峠まで車を連ねる話になったそう。
フェニックス並木を抜けた瞬間、南国だ、と声が同時に出たらしい。
モアイより、カーブの先の青さを残している。同じ瞬間に声が出る相手。説明を全部飛ばせる関係って、こういうところから始まる。

南へ行くほど、道が本番になる

ここまで来る道が本番

彩乃さん、三十二歳。都井岬で野生の馬が草を食むのを見て、車を停めた。夕日と馬と風が同時に来て、隣に停めた人と、ここまで来る道が本番だよね、と笑い合ったそう。
岬の灯台まで歩いて、日南海岸の終わりが静かに落ちた。
馬より、たてがみが揺れた向きを覚えている、と。遠い場所ほど、そこまで来た理由が似ている。説明がいらない相手に会える確率が上がる。

予定になかった湿原で

修平さん、三十七歳。川南の湿原に飛び込んで、予定していなかった花の名前を隣の人と図鑑で探した。ざっくり決めて急に見つける旅は、記憶に残りやすいそう。
延岡から宮崎へ戻る列車が動き出して、車窓でも湿原の話が続いたらしい。
花より、図鑑のページが重なった感触を残している。同じ紙面を二人で覗き込む距離。あれ、かなり近い。

市内にも、入口はある

参道の日陰の温度

健人さん、四十四歳。宮崎神宮の参道で、楠の大きさを隣の人と見上げた。市内は神話の入口で、駅からすぐに森があるそう。
チキン南蛮の次はマンゴー、と地図が広がって、同じ店の列に並んだらしい。
社殿より、参道の日陰の温度を残している。真夏の宮崎で、日陰に入った瞬間のひんやり。同じ木の下に立った人と、それを共有する。

改札の風の温度

蓮司さん、三十五歳。宮崎駅の改札を出て、ここから旅が始まる、と隣の人と同時に立ち止まった。空港も港も近くて、ひなたの県は入口が広いそう。
マンゴーソフトを分けて、次は高千穂か青島かで地図が二つ開いたらしい。
駅舎より、改札の風の温度を残している。同じ瞬間に足が止まる人。それだけで、感覚が似ている証拠じゃん。

会場だけが約束の地じゃない

穂香さん、三十一歳。シーガイアの温泉から、サンマリンの照明を窓に見ていた。フェスが中止になっても町に残った人と、約束の地って会場だけじゃないよね、と笑い合ったそう。
宮崎の人のあたたかさは、店の音楽が変わるところに出る。
温泉より、窓の向こうの夜の芝生を覚えている。予定が崩れた日に残った人同士。あの連帯感、なかなか作れない。

宮崎で声をかけるときの順番

次の行き先を、番号より先に出す

体験談を並べて気づいた。全員が次の場所を口にしている。次は高千穂か青島か、堀切峠まで、鵜戸へバスで、宿を伸ばす。
いきなり連絡先を求めると警戒される。当然の話。でも、そこ一緒に行きませんか、なら断られても軽傷で済む。宮崎は縦に長いから、次の目的地の在庫が尽きない。

音が共有される場所を選ぶ

櫂が水を切る音、砂利を踏む音、神楽の太鼓、波の間隔。宮崎の体験談は、音の話が異様に多かった。
静かな場所では、小さな音が全部聞こえる。同じ音に同時に反応した相手とは、言葉を交わす前から通じている。喋るのが苦手な人ほど、音のある場所を選んでほしい。

朝に動く

朝六時の青島、朝七時の高千穂峡。人が少ない時間帯の話が、やたら濃い。
数だけ見れば、昼の方が人は多い。でも昼の観光地では全員が匿名になる。朝に動く人は、それだけで同類。早起きした理由が似ている相手と会える。

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体験ベースの恋活ナビ編集部です。
令和のリアルな出会い事情、デートまでの心理戦、別れ方まで、すべて体験ベースで本気で恋活・婚活したい人に届ける本音ラボ。

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